あめみや歯科医院 DENTAL NEWS 9月号
2025/09/01
9月1日は「防災の日」。地震や台風など、いつ起こるかわからない災害に備える大切な日です。
非常食や水、懐中電灯などの備蓄は多くの方が用意されていますが、意外と忘れられがちなのがお口のケア用品です。
避難生活では、水不足や不規則な生活で歯磨きが不十分になりがちです。その結果、虫歯や歯周病の悪化だけでなく、口の中の細菌が原因で誤嚥性肺炎を発症するリスクも高まります。
これは特に高齢者にとって命に関わる重大な問題です。防災バッグには、歯ブラシ、歯磨きシート、液体歯磨き、デンタルフロス、入れ歯ケース・洗浄剤、キシリトールガムなどを忘れずに入れましょう。
水が限られている場合でも、少量の水でうがいしたり、歯磨きシートで汚れを拭き取るだけで大きな効果があります。
「備えあれば憂いなし」。防災グッズと一緒に、お口の健康を守るアイテムも必ずチェックしてくださいね。
また、日頃からしっかり噛めるお口の状態を保つことが、災害時の栄養摂取・体力維持につながります。定期的な歯科検診でお口の状態を整えておきましょう
噛む力で守る!健康寿命
私たちは毎日、何気なく「噛む」という動作を繰り返しています。
しかし、この「噛む力」は、食事を楽しむためだけでなく、全身の健康を支える重要な役割を担っています。
近年の研究では、噛む力の低下が「食べづらい」「飲み込みづらい」といった口の中の問題だけでなく、肥満・認知症・糖尿病・心疾患・転倒リスクの増加など、さまざまな全身疾患と関係していることが分かってきました。
噛む力が低下するとどうなる?

よく噛むことには、唾液や胃液の分泌を促し消化吸収を助けるほか、脳の血流を増やして老化を予防、五感の刺激による食欲増進、満腹中枢の刺激による過食防止など、多くの健康効果があります。
特に唾液は「長生きの基」とも呼ばれ、味覚を感じる、口の汚れを洗い流す、細菌の繁殖を抑える免疫物質を分泌して病気を防ぐ、といった重要な働きを持っています。
しかし、年齢とともに噛む力が弱まると、硬い食品や繊維質の多い野菜、噛みごたえのある肉や魚を避けがちになります。その結果、柔らかい炭水化物中心の食事に偏り、肥満や動脈硬化のリスクが高まります。
さらに、たんぱく質不足による筋力低下が転倒や骨折を招き、栄養不足による認知機能の低下にもつながります。
噛む力の低下がオーラルフレイルにつながる
噛む力の低下は、やがてオーラルフレイル(口の虚弱)につながります。オーラルフレイルとは、口の機能がわずかに低下した状態で、全身のフレイル(虚弱)の入り口とも言われています。
初期段階では、「少し食べにくくなった」「むせることが増えた」といった小さな変化にすぎませんが、放置すると噛む・飲み込む・話すといった機能が低下し、栄養状態や体力の低下へとつながります。
オーラルフレイルは早期発見・早期対応で改善が可能です。「噛みにくい」「むせやすい」などのサインを見逃さず、日々のケアと定期的な歯科受診を心がけましょう。
オーラルフレイルのセルフチェック表
質問 |
いつも | ときどき | いいえ |
合計点数が 8~10点→オーラルフレイルの危険性あり 11点以上→オーラルフレイルの危険性が高い
|
半年前と比べて、堅い物が食べにくくなった |
2 | 1 | 0 | |
お茶や汁物でむせることがある |
2 | 1 | 0 | |
義歯がよくかめない |
2 | 1 | 0 | |
口の乾きが気になる |
2 | 1 | 0 | |
半年前と比べて、外出が少なくなった |
2 | 1 | 0 | |
さきイカ・たくあん程度の食べ物を噛むことができる |
0 | 1 | 2 | |
1 日に 2 回以上、歯を磨く |
0 | 1 | 2 | |
1 年に 1 回以上、歯医者に行く |
0 | 1 | 2 |
「噛む力」は、単に歯や口の問題ではなく、生きる力そのものです。
もし、最近硬いものが食べづらくなった、入れ歯が合わなくて使っていない、そんなお悩みがあれば、当院へお気軽にご相談ください。


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